IE9ピン留め
アムステルダム・ゲイ・プライドと同僚ジョーの最期

他人のセクシュアリティなんて、長い間どうでもいいと思っていました。ゲイであろうがストレートであろうが、私の知ったことではない。
それが、同僚がエイズに倒れるとともに、意識変化が始まりました。

ひとりで異国の新しい土地、新しい職場に移ったとき、同僚のジョーは家探しや車の購入に快く手を貸してくれました。その後、病弱で、時々臥せってしまうジョーが本格的に入院し、長期療養に入った時に、彼が現代の医学でもどうしようもない病に蝕まれていることを知ります。
キリスト教の保守的な地域に住む彼の親類は、一度見舞いに訪れただけで「我々は今後一切ジョーと関係を持ちません、財産管理を含め全て放棄します、あとは皆さんでやってください」と言って末期の病床にいるジョーのもとを立ち去っていきました。同性愛者の親類がエイズにかかっていることが許せなかったのでしょう。

職場でジョーの身の回りの世話をするチームができ、1年以上にわたる闘病の末に彼は安らかに息を引き取りました。けれどその直後に親類がジョーの亡骸を引き取りに来て、葬儀は一切執り行われませんでした。

* * *

オランダは世界に先駆けて同性の結婚を認めた国です。これがどれほどの福音だったかは、家族としての法的な絆が必要な場面に遭遇したことがある人でないとなかなかわからないのかもしれません。けれども、この権利を手にするまでに多くの人が勇気ある行動で訴えつづけたことに対し、大きな拍手を送ります。

毎年この時期に行われるアムステルダムのGay Pride。ゲイの人たちのお祭りです。運河に飾り立てたボートを浮かべて運河パレードしたり、街中でDJブースを作って踊ったりの、賑やかな4日間。ゲイでない人たちも大勢参加し、街中が楽しげです。ゲイであろうがなかろうが皆で楽しむお祭りが少しずつ心の垣根を低くしてきているのでしょう。私も喜んで参加してきました。

そこそこ暑かった一日も終わりに近づいた頃、街のいたるところで音楽とともに人混みができていました。ラッシュアワーの電車みたいに身動きがとれない状況。がたいの良いお兄さんたちに囲まれながら、誰の体臭もしないことを新鮮に感じました。まわりの全員が、ついさっきシャワーを浴びてきたように清潔なんです。そういえば、以前ゲイの男性と家をシェアしていたことがありますが、彼のバスルームに置かれたシャンプーなどのボトル類は、私の2倍以上ありましたっけ。

こんな賑やかなお祭りは、おとなしいジョーはどう思うのかな、と考えながら深まる夜を楽しむのでした。
by skylooper | 2006-08-07 08:09 | 日々あれやこれや
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