![]() ガスの使用量、1月10日から2月10日までが194立米。この1週間で36立米。 料理・シャワー、そして延べ床面積約85平米の、それほど大きくもないブリュッセルの我が家を暖めるのに使った量です。これが果たして多いのか少ないのか、どのくらい懐具合に影響するのかが気になるところです。ちなみに壁4面のうち1面は隣と共有しています。 Sibelga(ベルギーの都市ガス供給会社)によると、だいたい1立米のガスで0.5ユーロ(注)。こんなに暖冬だというのに、家の温度も18度以下を保っているのに1ヶ月で100ユーロ弱の暖房費、ベルギーの冬はこんなものなのでしょうか?これまでアパートだったので、実態がつかめていません。 金額はさておき、この194立米の都市ガスの熱量を自動車にまわしたら、どのくらいの距離を走れるのでしょうか。とあるところから引っ張ってきた数字では、1リットルのガソリンが10.9kWhということです。都市ガス1立米が10.5kWhだから、これもドンブリ勘定して1:1とし、194リットルのガソリンと等しいとすると、我が家の1.2LエンジンAudi A2の超低燃費車だと5500km走れる計算になります。これがどのくらいの距離かというと、フロリダのキーウエストからワシントン州シアトルまでアメリカ大陸を斜めに横断した距離。 ![]() 2月16日はベルギーのフランダース地区で「一枚余分に着て暖房を弱めよう」というプロモーションをしていたようです(記事)。丁度2年前の2月16日に京都議定書が発効されたことに関連してのイベントだったようです。 次の冬までに我が家は床に断熱材を入れたりタイル床をパーケット(木)にしたりの作業が待っています。今けっこう温度ムラがあるのが少しは改善されるでしょう。 しかしその一方で、1ヶ月分の暖房燃料を6時間分の飛行訓練で燃やしてしまうのがアクロバット飛行。地球に厳しい趣味の埋め合わせを住宅改善で多少はできるでしょうか。うーん。 (注):料金プランによって異なりますが、おおよそ1kWh=4.5セント、1立米=10.5kWhとして、ドンブリ勘定で1立米=0.5ユーロとしています ![]() しっかり積もったわりにはあっけなく解けてしまいました。近所では、去年の夏にトラム路線の工事完了とともに敷き詰められた沿道の芝生がことごとく沼地と化しています。芝の上の融けかかった雪を踏みしめていく人たちが、ついでに土をこねくりかえしていくので、芝たちはかなり気の毒なことになっています。 このページの右側に◇ ベルギー暮らしの便利帳 ◇という、単に私が出先で使うために作った便利でもなんでもないリンク集があります。実はこのブログに検索で飛んできてくださる方に「ベルギー暮らしの便利帳」を探されているかたがけっこういらっしゃいます。「ベルギー生活便利帳」を探されていることは明らかなのですが、こう考えてみると看板詐欺ですわ。この場でお詫び申し上げます。m_o_m その便利帳リンク中でも最も謎な過去36HのMETAR(ブリュッセル=EBBR)ですが、航空気象情報の読み方さえ多少わかると過去36時間・30分ごとの詳細な天気が確認できるので面白いですし便利です。ブリュッセルならEBBRと入力、"most resent only"のプルダウンタブを"past 36 hours"に換え、METARをクリックしてSubmitすると EBBR 080950Z 12008KT 2500 -SNRA BR BKN004 BKN009 M00/M01 Q0987 というような文字の羅列がでてきます。 EBBR(ブリュッセル)08日0950分(グリニッジ標準時間です、現地時間だと冬は+1時間)の天気は風が120°の方角(東南東)から8ノットの強さで吹き、視界は2500メートル、弱いみぞれ(SN=snow、RA=rain、マイナス記号は”弱い”)と霧(BR)、雲が低いところにあって(BKN...)、気温マイナス0℃・結露点マイナス1℃、気圧(補正値)987ヘクトパスカル……。 風向きやら気圧やらはどうでもいいです。この文字列を眺めていつ頃から雪SNが降り出したのか、氷点下にいつなったのか(M01=マイナス1℃、M04=マイナス4℃、07/04=気温プラス4℃、結露点プラス4℃)をざっと見るのに使えます。 下の「きょうの天気」の内容は、「雪は今朝がた降り始め、明けがたの最低気温はマイナス3℃、11時すぎには霧雨になって、あとは降ったりやんだり。夜11時ごろからまたボソボソと降り出した。日中最高気温は6℃。」 今日ってどんな天気だったっけ、と思った時に眺めてます。 すみません、マニアックな話で。 注:METAR = Meteorological Aerodrome Report(英国)またはMeteorological Aviation Report(米国)の略。日本語訳は定時航空実況気象通報式と言うらしいです。空港で定時に観測される天気の情報のことです。 ![]() 「きょうの天気」 この冬は暖かいのと、まとまった雨が少ないこともあって、近ごろではよく散歩しています。昨日は仏語学校の建物に設置された火災報知器の誤作動で途中から休講になり、ここぞとばかりにブリュッセルの街を西から東に歩いて突き抜けてみることに。1時間ほどしてカフェで休憩していると、空から大粒の雪がゆっくりゆっくり舞ってきます。地上でジュッと音をたてることもなく消えてゆく雪。やみそうもないので諦めてトラムをつかまえに歩く私のコートのうえにも落ちては消え、落ちては消えてゆきます。翌朝。窓から見える近くの森は霧の中、まだ真っ白。スキータイツに厚手の靴下、トレッキングシューズを履いて散歩に出かけます。遊歩道にはすでに雪はなく、あたりはうっすらとした雪化粧。このはかなさの中にある美しさは、桜の命の短さに通ずるものがあります。そう感じるのは日本的な環境で育ったからなのでしょうか。 昼過ぎには青空もところどころ見え、森はあっという間に元の姿に戻っていきました。歩くたびにいろいろな表情を見せてくれる森。今日はひとときのやわらかな夢を見させてもらいました。 ![]() ![]() 吾 唯 足ることを 知る 石庭で有名な、京都の龍安寺にあるつくばいです。時計回りに上から五・隹・疋・矢。「口」をたして吾唯足知。 近頃ではこの句をめっきりシンプルな暮らしになったことに対する言い訳にしてしまっている自分がいます。ダウンサイズしなければならなくなった物質生活を正当化するかのごとく。仕事を辞め、移民となり、社会の麓から叩き上げで這い上がる境遇に身を置いたいま、これまでとは異なった幸せを手に入れた一方で、失ったものへの諦められない執着もあります。 昔と今、自分と他人。どこか心の片隅で比較している自分は、まだまだ吾唯足知の境地に達しません。 ベルギー産・辛口の酒のstevebrusselsさんのお話に刺激を受けて、しばしこの句に思いをめぐらせてみました。 ![]() 他人のセクシュアリティなんて、長い間どうでもいいと思っていました。ゲイであろうがストレートであろうが、私の知ったことではない。 それが、同僚がエイズに倒れるとともに、意識変化が始まりました。 ひとりで異国の新しい土地、新しい職場に移ったとき、同僚のジョーは家探しや車の購入に快く手を貸してくれました。その後、病弱で、時々臥せってしまうジョーが本格的に入院し、長期療養に入った時に、彼が現代の医学でもどうしようもない病に蝕まれていることを知ります。 キリスト教の保守的な地域に住む彼の親類は、一度見舞いに訪れただけで「我々は今後一切ジョーと関係を持ちません、財産管理を含め全て放棄します、あとは皆さんでやってください」と言って末期の病床にいるジョーのもとを立ち去っていきました。同性愛者の親類がエイズにかかっていることが許せなかったのでしょう。 職場でジョーの身の回りの世話をするチームができ、1年以上にわたる闘病の末に彼は安らかに息を引き取りました。けれどその直後に親類がジョーの亡骸を引き取りに来て、葬儀は一切執り行われませんでした。 * * * オランダは世界に先駆けて同性の結婚を認めた国です。これがどれほどの福音だったかは、家族としての法的な絆が必要な場面に遭遇したことがある人でないとなかなかわからないのかもしれません。けれども、この権利を手にするまでに多くの人が勇気ある行動で訴えつづけたことに対し、大きな拍手を送ります。 毎年この時期に行われるアムステルダムのGay Pride。ゲイの人たちのお祭りです。運河に飾り立てたボートを浮かべて運河パレードしたり、街中でDJブースを作って踊ったりの、賑やかな4日間。ゲイでない人たちも大勢参加し、街中が楽しげです。ゲイであろうがなかろうが皆で楽しむお祭りが少しずつ心の垣根を低くしてきているのでしょう。私も喜んで参加してきました。 ![]() そこそこ暑かった一日も終わりに近づいた頃、街のいたるところで音楽とともに人混みができていました。ラッシュアワーの電車みたいに身動きがとれない状況。がたいの良いお兄さんたちに囲まれながら、誰の体臭もしないことを新鮮に感じました。まわりの全員が、ついさっきシャワーを浴びてきたように清潔なんです。そういえば、以前ゲイの男性と家をシェアしていたことがありますが、彼のバスルームに置かれたシャンプーなどのボトル類は、私の2倍以上ありましたっけ。 こんな賑やかなお祭りは、おとなしいジョーはどう思うのかな、と考えながら深まる夜を楽しむのでした。
昨夜に寒冷前線が雷と突風を連れてやってきて、うだるような暑さの空気と入れ替えにキリリとした風を送り込んできてくれました。理科の授業では、温度が低いほど空気の密度は高くなると教えますが、まさにそのとおり。深呼吸すると、いっぱい酸素が入ってくる気分になります。
パン屋さんに併設されたカフェで朝一杯目のコーヒーとバターの香りたっぷりのパンを胃におさめます。心なしか、ホリデーで街から人が離れているのか、単に日曜日の静けさだけでは説明できない穏やかさと寂しさがあります。それなりのにぎわいの中で。 テルヴューレンという小さな街からブリュッセルまで、林の中を1時間くらいかけて走るルートが最近のお気に入りサイクリングコース。途中、あまりに気持ち良さそうなスポットがあったので、自転車をとめてブナの木の根元に寝っ転がってみます。 木の葉と木の葉の間から時折見え隠れする光。最近コンタクトレンズから眼鏡に切り替えたので、さっそく裸眼で見てみることにします。 普段はレンズなしの生活なんて考えられないほどの近眼。それも、右と左の視力が大きく異なるので、裸眼で焦点を合わせようとするとクラクラします。それなのに、木々を眼鏡なしでぼんやり見つめることのなんと心地よいこと! 小さな光の粒、黄色から緑までのさまざまなグラデーションに時々赤の混じる粒が、ゆっくり大きくなったり小さくなったりしながら揺れています。眼球のゆらぎと木の葉のゆらぎ。眼鏡のレンズを通してではけっして見ることのできない、やわらかな光の粒。どこにも焦点をあわせなくていい心地よさ。こんなに目がリラックスできたことってあったかしら? いつも視力の低さを負担に思っていたけれど、時にはこうやってピンぼけの世界を楽しむのも悪くないと気づいた日曜の朝でした。
昔々走りがそこそこに楽しい車に乗っていた頃、自動車ライターの友人が私の車の運転をチェックしてくれたことがありました。着座姿勢やハンドルの握り方(力を入れすぎている)、コーナーを曲がるときのライン取りや減速加速をする地点の修正、それだけでなく単にまっすぐ走っているときもどうやらセンターライン側に寄っていることなどを指摘してくれて、目からウロコだったことがあります。運転免許をとってからというもの、上手く走りたい、きれいにコーナーを抜けたいと思ったことはあったものの、特に自分の運転に疑問を持ったことがなかっただけに、正直なところこれだけ指摘されるとは驚きでした。
さて、本日は生まれて初めて料理教室なるところに行ってきました。このブログにもちょくちょくコメントをくださるアメさんのご紹介で。シソの種が取り持つご縁です。事前に受け取った案内は「エプロン持参」と書いてあり、急遽昨日買いに走った次第です。エプロンして料理した経験は中学校の家庭科以来でしょうか。 プロが料理する姿を見るのが大好きで、カウンター席で食べる料理屋では中の板前さんの手つきにクギ付けです。魚を手際よくさばいていく姿なんてホレボレしてしまいます。その手つきを勝手にまねしているつもりでいました。そして今日、料理の先生が肉をさばく手元を見て、 アレ? 私の包丁の握りかた、間違ってる??? と初めて気付いたのでした。いつも無意識で人差し指を包丁の峰部分にあてて切っています。先生曰く、それは刺身を引く時などの切り方で、肉を切るときは人差し指と親指で包丁をしっかり挟み、ぐらつかないようにするとのこと。いやぁ〜知りませんでした。習い事をするって、こういう発見のためにあるんですね。 そのほかにも、ソース作りの時にライムと水と卵黄を鍋に放り込み、火にかけてこれでもかこれでもかというくらいに泡立てる様子は、ナルホドこのためにエプロンが必要なのね、と妙に納得するのでした。 時にはこうやって第三者に見てもらったり、お手本を見せてもらったりして我流の矯正をするのは実に良い、と感じた料理教室初体験でありました。
金曜日の昼にラズベリーとワイルドベリーを摘んだあと、一気に39度まで熱が出ました。ようやく37度まで下がってきて、普通に生活できるようになっています。べつに寒気も無く喉も痛くなく鼻もグスグスしていません。単に熱が上がってフラフラしていただけです。
こういう時に限って家の中は私一人。熱にうなされながら食べたくなるのは千疋屋のグレープルフーツシャーベット。これは病気のとき限定の贅沢アイテムでした。こればかりはどう頑張っても海外発送できませんね。そう思えば思うほど食べたくなるものです。 病み上がりに聞く遠雷と雨音が心地よいなんて初めて知りました。 布団をかぶりながら外の眩しい陽射しに目を向けるより、今の気分に合っています。 明日は晴れでも気分よさそうです。
旅先の初日、デジタルカメラが突然死した。
どうやらカメラそのものでなく、リチウム電池が寿命を迎えたようで、いずれにせよ旅先で簡単に解決できる問題ではない。日本ならともかく。 この先5日間、カメラ無しの旅行。これも悪くない。 ついつい記憶の補助を画像に頼りがちになるが、こうやって強制的にカメラを奪われると、言葉の持つ力について考えさせられる。 そんなことをつらつら思いながらオランダ・ユトレヒトの街を歩いていると、約7−8年前の夏の夜が蘇ってきた。 小栗康平監督の映画『泥の川』を観たことがない。 映画を「観る」というと、スピーカーから流れる音が鼓膜を振るわせ聴神経を経て脳へ達すると同時に、スクリーンに映し出される映像(光)が網膜上で像を結び、視細胞を通じて脳に伝達されるわけだが、『泥の川』は映画館でもDVDでも観ていないのに記憶の中にしっかり映像として残っている。今まで観た映画の中で、最も鮮明に。 マルセ太郎というボードビリアンがいた。「スクリーンのない映画館」と題してステージ上で映画の初めから最後まで語り尽くす。独りで。ある夏の日、渋谷ジャン・ジャンで行われたプログラムが『泥の川』だった。 既に肝臓ガンに冒されたマルセ太郎の、痩せた小さな体からエネルギーが怒濤のことく溢れながらも、小さな劇場空間が戦後間もなくの大阪の、暗く貧しい川縁に変わっていく。それもモノクロの。 語りだけで脳裏にまでしっかり映像を刻み込むマルセの芸は、残念ながらもうライブで楽しむことはできない。2001年に67歳で亡くなった。生きているうちに彼を観ることができたことを幸運に思う。 言葉や語りについて考える時、つい『泥の川』のことを思い出してしまう。ユトレヒトの街角でマルセがニタリと笑った、ような気がした。 < 前のページ次のページ >
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